# BoF: DebConf 21 のイベント共有会 ## イベント概要 - イベント名 - 東京エリア Debian 勉強会 2021 年 9 月度 - https://tokyodebian-team.pages.debian.net/2021-09.html - 開催日時 - 2021-09-18(土) 14:00-16:00(BoF は 14:20-15:50) - 場所 - オンラインによるビデオ会議(Teams・IRC) - 参加者(敬称略) 5 名 - dictoss - yy_y_ja_jp - tyamadajp - uwabami - yosukesan - このドキュメントのライセンス - GPLv3 ## DebConf 21 のビデオを見た感想 ### Tuesday (24 aug) #### DebConf21 Opening - 昨年とほぼ同じ構成 - 数分で終わった #### OpenStack Cluster Installer in Bullseye: what's new, what to expect - DebConf21 のオンライン会場を提供するクラウドはこの OpenStack で提供していた ### Wednesday (25 aug) #### Cloud BoF - 提供しているイメージ - 提供している arch は3つ (amd64、arm64、ppc64el) - AWS 向け、Azure 向け、OpenStack 向け、QEMU-KVM向けのイメージをビルドしている - イメージは完全に自動ビルドする仕組みになっている - stable imageは手動トリガーにより自動でリリースされる - ifupdown がいけていないとの意見あり - クラウドサービスの API 仕様は変更頻度が多く、追随する作業が大変で困る - 質問 - OpenStack 関連のものが多かった - イメージの利用者統計は何を使っているか - クラウドサービスの market place - popcon ### Thursday (26 aug) #### Mass Campaigns to increase Debian adoption in India - まだ見れていないが、興味がある(tyamadajp) #### Debian Science BoF - Debian が提供する FORTRAN パッケージは、LLVM ベースのコンパイラを利用できるものを提供中 #### Probing into the world of Data Science - NumPy の紹介などの科学技術計算の一般的な話が多かった #### Making use of snapshot.debian.org for fun and profit - snapshot.debian.org を使い倒しているセッションで、使い倒しすぎていて、次世代 snapshot.debian.org を作るに至ったとのこと - snapshot.debian.org ベースの debootstrap や bisecting tool など製作した便利ツールを色々紹介していた - 最大のネックは snapshot.debian.org の不安定さということが明らかにされ、それを改善するために以下を作るに至ったという話の流れ - snapshot.debian.org のパッケージ情報を安定して参照できるメタデータサービス - snapshot.debian.org のアーカイブ内容をもっと安定的に配信できるサーバ - 紹介されているツールも有用そうでおすすめ ## Friday (27 aug) #### Summer with Debian - Google Summer Of Code に Debian Project で支援できることを紹介する話 - 特に何のプロジェクトや作業に取り組みたいと応募が来ている、という話は出てこなかった - 学生側から何を支援してくれるのか、という質問に終始していた感じがある #### Contemporary networking configuration with ifupdown-ng - ifupdown-ng を作った人が ifupdown-ng を紹介する話 - ifupdown(1) は軽量でシンプルだが、拡張性に乏しい(Debianではデフォルトで利用) - ifupdown2 は拡張性があるが、Python製 - ifupdown-ngは ifupdown2 にインスパイアを受けて開発した - Alpineでは ifupdown-ng をすでに採用している - Alpine-3.13では 0.10.3 を採用していて、デフォルトになっている(苦情は少ない) - Alpine-3.14では 0.11.2 を採用している - Wi-Fiクライアントのサポートが入る予定 - 今後の予定 - reloadのサポート - ifupdown-ng をパッケージ化してくれるDM を探している - ifmond udev のようなイメージの、ネットワークの変更をイベント監視するデーモンの開発 - 感想(dictoss) - nmcli のようなコマンドラインツールがほしいイメージが作者にあるように思った #### Create YOUR custom Debian image with recipes - Debian のバイナリパッケージを活用してカスタム Debian/Linux の rootfs やシステムイメージを簡単高速再現性ありでビルドしてくれる「isar」を紹介する話 - isar は bitbake を裏で使った構成になっている - システムやコンテナのイメージ生成では debootstrap から bitbake まで既成のツール・方式が色々あるが、前者だとイメージ化に向かず、後者はソースビルドを主に想定していて「簡単・高速・再現性あり」というのがなかなか満たせない - isar は Debian package やソースビルド機能を bitbake で駆動することでソースレベルのカスタマイズもできるイメージビルドツールになっている #### Python Team BoF - Python 2 の廃止について - python2.7 関連のパッケージは 99% 削除した - pypy、virtualenv、他 ... などのビルドでは未だに python2.7 に依存している。独自にビルドすれば依存は外せるが互換性がなくなる - vendoring 問題 - PEP 517、PEP 518 に対応したツールから deb パッケージを作るツールがない (誰かやってほしい) - PEP 686 の対応をどうするか - https://discuss.python.org/t/graceful-cooperation-between-external-and-python-package-managers-pep-668/10302 - python-pip-whl という debian の python package だけで依存性を解決する機能を upstream で作ってもらっているが、upstream は心良く思っていない - システムと pip で同じソースがインストールされるのは debian のポリシーに違反すると思うが、pip のパッケージ数の恩恵をユーザーが受けられるし、debian pakcage を管理する側も楽になるため許容してはどうかという意見あり - python パッケージ管理関連に依存があるパッケージだけは、セキュリティに問題がないようにしたい - セキュリティチームに連絡 ### Saturday (28 aug) #### GoVarnam, a new "Intelligent" Input Method for Indian Languages in Desktop & Mobile - インドの言語 マラヤーラム語などの入力メソッド - Google の Gmail などにも付いてる模様 - Google Input Tools のフリー版を目指してるようで、情報がオンラインに流れずオフラインで使えることを強調していた - 発表中にデモをしていた(ただしマラヤーラム語で何を書いてるのかはよくわからなかった) - フロントエンドには ibus と Web インターフェースを用意していた - 日本語のローマ字入力・かな入力のような感じで入力方法は2つある模様 - 日本語の形態素解析ほどまではやってなさそうであったが、一緒に取り組める部分もあるのではとも思った (yy_y_ja_jp) 以上