# BoF: 「情報交換会:DebConf24 イベント報告」 ## イベント概要 - イベント名 - 東京エリアDebian勉強会 2024 年 8 月度 - https://tokyodebian-team.pages.debian.net/2024-08.html - 開催日時 - 2024-08-17(土) 14:00-17:00 - 場所 - オンラインによるビデオ会議 (Google Meet) - 参加者 (敬称略) 13 名 - 23corona - ichienkitte - NOKUBI Takatsugu (knok) - dictoss - su_do - kenhys - BlueSkyDetector - Hiroyuki Yamamoto (yama1066) - testdayo99 - (=・ω・)ノ (akedon) - yy_y_ja_jp - rsakuma (fubabz) - Youhei SASAKI (uwabami) - このドキュメントのライセンス - GPLv3 ## BoFメモ「情報交換会:DebConf24 イベント報告」 ### debconf24情報 - イベント情報 - https://debconf24.debconf.org/ - https://debconf24.debconf.org/schedule/important-dates/ - トークとスケジュール - https://debconf24.debconf.org/schedule/ - https://debconf24.debconf.org/talks/ - ビデオアーカイブ - https://meetings-archive.debian.net/pub/debian-meetings/2024/DebConf24/ ### トーク以外 - 会場における情報のやりとり - 今回は運営チームからdebconf-announceのメーリングリストへメールがほとんど流れなかった - debconf-discuss メーリングリスト、IRC #debconf で流動的な情報で判断して動く感じであった - planet debianから - Louis-Philippe Véronneau - A Selection of DebConf24 Talks - https://veronneau.org/a-selection-of-debconf24-talks.html - 韓国の実行委員 - 実行委員長の人は大学学内ベンチャーの社員で、大学のアカウントを持っている人 - 毎日 19:30 から実行委員が集まり情報共有を行う会議があった - 会場で COVID-19 罹患者は出ていた。日本人も帰国直前で罹り、いろいろ大変だった - debconf日本の開催に向けた話 - matrix.debian.social サーバに debconf チームと日本の開催招致関係者が入る準備チャンネルがつくられた (Debconf26jp planning) ### 7/28 トーク #### Welcome to DebConf24! - 実行委員長は隣に立って、副委員長(?)の人が話していくスタイル - 会場の情報、スポンサーの情報などこれからイベントを進行していく上で参加者に知っていてほしいことを説明していた #### Continuous Key-Signing Party introduction - Web of Trust - ハッシュチェックで数字とアルファベットを全員で読み上げる - 事前にキーサインの申し込みをした人は受付でもらえる名札の下にkeyと連番が書いてあり、互いに認識できて便利であった - 事前にキーサインの申し込みをしていない人はどうやってキーサインをすればよいかの説明があった #### DebConf 101 - debconf 初心者とベテランが掛け合いで進む debconf 解説 #### Beyond the Ordinary Print: Exploring Open-Source Possibilities in 3D Printing - 技術トラブルということで発表自体がなくなった - 実際のところは、発表者が来なかった模様 #### the Revised Landlord's Game - すごい話ではなかった気がする #### 한국어 지역화 BoF / Korean L10N BoF - web のトーク説明では韓国語で行うと事前に記載があったとおり、韓国語で進められた - 画面を投影している内容は英語のためトークに参加した人はなんとなく話が分かる - 韓国語は2種類あるが、GNOME ibus である1つを選択してインストールした場合に GNOME で韓国語が入力できずにおかしくなるため、どうするか?という話 - インストールした時点でおかしいのでなんとかならないか、という意見あり - xkb の選択の話で日本語でも過去に同じことがあった (はず) - uim-byeoroo という実装 - 韓国語では uim を使う実装はまだ残っている #### Translations and beyond - How translation work can improve Debian as a whole - イタリアのDDの人の発表 - DDTSSを運営している人 - 翻訳からdebianを知ってもらい、入ってもらうのも一つです、という話があった #### Debian and new EU cybersecurity-related regulation BoF - 後日に BoF でない発表がある - BoF で意見をまとめて、その debconf 中でまとめた意見を発表する流れはよいと思う ### 7/29 トーク #### What happens if I delete setup.py?: a live demo of upgrading to PEP-518 Python packaging - 昔は setup.py で、今は setup.cfg と pyproject.toml になっているという話 - プレゼンテーション中にライブコーディングするように古い python パッケージを新しい形式に直していく発表スタイル - ほぼ python 固有の話で、debian 要素はほとんどなかった #### Local Groups BoF - BoF の仕切りはブラジルの方 - イタリアの方もいました - https://lists.debian.org/debian-localgroups/ - メーリングリストの紹介があったが、ほとんど流れていない模様 - 日本のDebian JP Projectのことを説明してみました - ローカルグループを組織していること、毎月勉強会をしていること #### Introduction to LibreOffice Korean Translations (Wiki & UI Translations) - debian 要素はあまりなかった - libreoffice の話 #### Beyond Yocto: Exploring Debian for Embedded Linux Development - yocto Project の基本的な説明やシステムレイヤーの話 - debian と yocto はどう違うのか ? - debian の方が簡単で、ホビーや検証向き - yocto の方はイメージを焼き付けて大量生産するフェーズで使う - DEP-5 の debian/copyright は全パッケージ入れてほしいという希望あり #### l10n and i18n BoF - 参加している人の国はブラジル、インド、日本、韓国、DPL (Andreas Tilleさん) - webサイト (www.debian.org) の翻訳の仕組みは古くてつらいとの話あり - 「開発者自身は英語を話せるから翻訳の必要はないんだよね」という言葉が出てきた - ツール - https://weblate.debian.net/ - ブラジルの例 - https://wiki.debian.org/Brasil #### Cheese and Wine - X (旧twitter) の @debian_jp に写真を上げてます - 持っていったもの一覧 - https://wiki.debian.org/DebConf/24/CheeseWine - 日本から持っていったものとして、さけるチーズが好評だった - 他の参加者から「日本からなぜうまい棒を持ってこないんだ」と言われた - お菓子はかなり余った感じでした - 余ったお菓子は、運営の人が後日の会場の入口やハック部屋に置いて振る舞っていた - 余ったお酒は、食堂の前にあるハック部屋に置いて自由に飲んでください、となっていた - 寮は禁酒であったが、余ったお酒を持ち込み深夜まで騒いで (翌日の debconf-annnouce で) 怒られた - しかし、事前に寮は禁酒であることの周知はメールがWebサイトで出ていなかった気がする - 翌日の朝食は人が少なかった #### Poetry Attack 01 - 最近の debconf では通例のイベントらしい - debconf18 ではなかったイベント - テクノサウンドとビデオが流れるような現代アートの様相 ### 7/30 トーク #### The new APT solver - apt dist-upgrade するとパッケージが消えた、という問題が起こり、これは現在の APT solver の仕様が原因 - 開発中の solver は apt コマンドのオプションに "--solver 3.0" というオプションを指定すると実行できる - 依存関係解決の歴史の解説があった - 試み1: External SAT Solver (2010) - 試み2: Pseudo-boolean optimization - 試み3: Modular graph solver - 問題点の洗い出しを行うと DPLL SAT solver にかなり似ていると分かってきた - "--solver 3.0"では DPLL SAT solver の理論に基づき実装している最中 - 新しい solver が採用されるとどうなるか ? - debian/control の書き方で Depends の書き方を変えないといけない - 新しいものや残したいものを前に、obsolate なものを後ろに書く仕様 - 今後のtimeline (APT solver 3. 0版の開発とリリース) - Now --solver 3.0 のアーリーアルファ版が動いている - 2025/2 trixie プロダクション版のベータ版を出す - trixie では動くが、デフォルト動作にはしない - 2027/2 forky で stable としてリリース - デフォルト動作になる #### Sequoia PGP, sq, gpg-from-sq, v6 OpenPGP, and Debian - https://sequoia-pgp.org/ - OpenPGP の Rust実装版 - GnuPGの人たちも支援してくれている - OpenPGP v5 -> v6 - 新しいRFCの策定をするのはハードワーク、進みは遅いが進めている - RFC9580 は審議中でまだリリースされていない - RFC9580 がリリースされると RFC4880 (2007制定版) は oboslated になる予定 #### Debian Teams exchange - 各 Teams が集合して、主にインフラやパッケージの人が話をしていた - 言語のチームもあるよ、との話が出ていた #### Ruby team BoF - 見たが Rails 7 への transition が辛い という印象を受ける - 余談 - MiniDebConf 24 in Japan (DebConf 26?) という言葉が出てきてびっくりした - 誰がホストするのか決まっているのだろうか ? #### Steps towards a modern CMS for our web pages - www.debian.org をどうするか - WML は止めたい - hugo で実験しているが、すぐには利用可能な状況ではない模様 #### Attracting and retaining new contributors: insights from Brazil - ブラジルの DD 2名の共同発表 - Debain Brasil Devel - Debian Brasilia が前身 - https://brasilia.debian.net/ - 4 DDs - 5 DMs - 16 active contributer - 問題を特定する (現在わかっていること) - 新しい人向けのドキュメント - ツールが多すぎる - コミュニケーション手段(メール又は IRC) - 言語の問題 - (母国語でない) 英語 - 技術的な言語 (jargon) - shyなため、どう尋ねていいかわからない問題 - これまでの過去のナレッジ - ワークフローやプロセス - 長い間コントリビュートしてもらうには ? - DMになった後はなにをすればいい ? - ローカルグループは十分に見えない - 人の勧誘 - 大学のバックアップを受けている - メンターシッププログラム - 1対1 - 次何をすればいいか、関連が近い情報を得られる - グループディスカッション - よりインプットと早いレスポンスが得られる - Weekly Online Meeting - Jitsi calls in ポルトガル - Inforrmal language - Hppry hour - Commurrarrion - インスタンスメッセージ - webclient's matrix/telegram - システム - https://debianbsb.org/ - https://peertube.debian.social - 動画共有もしている #### contributors.debian.org: what is, how to benefit from it and how to help - DD、DM でない人もカウントしており、画面に出てくるようになっている - debian 活動をするときちんと成果が見えます - 誰かがあれをやってくれないかな、これをやってくれないかなと思う気持ち - まずはあなたが動きましょう!と言っていた - contributors.debian.org のデータの出し方をより良くしていく取り組みを検討、継続していく予定 #### Apt Transparency - CA の同様に、リポジトリも Transparency という話であった #### Group Photo - 写真をとりました - https://salsa.debian.org/debconf-team/public/share/debconf24/-/blob/main/photos/aigarius/group/debconf24_group.jpg - 撮影した人に聞くと、複数回の撮影の画像を合成して作っているとのこと - グループフォトの撮影後に歴代 debconf T シャツを着た人たち全員の集合写真も撮っていました - 日本から行った人たちで集まって写真を日本人グループで撮っています - 日本からは 12 〜 13 人程度行った #### Bits from the DPL - パッケージなどのメンテナンスはすべてチーム制に移すべきという意見を言っていた #### zombie training - 食堂で映画を見た模様 ### 7/31 DayTrip - 参加費用は有料で、debconf の 参加申し込み web サイトからクレジットカード払いするシステムになっていた - 申込みのときに有料で保険に入ることができるようになっていた (昨年の事故が関連していると思われる) ### 8/1 トーク #### Bits from Brazil - 他のブラジルの活動事例の話の続き - 大学の授業で debian パッケージを作る回がある #### To Ensure the Openness and Fairness of the Internet - 韓国の研究者の人が発表者で、debian は関係ない話 - 韓国のインターネットに関する規制の歴史とこれからの話 - Open Net という言葉がある - 2016年に "sender-pay rule" ができた #### Community Team BoF - Community Team はハラスメント対策チームの話 - あまり参加して得られたものはなかった #### Linux Containers with AppArmor Policy Namespaces - コンテナごとに AppArmor のポリシーを分けて書けるようにしたいとのことで apparmor を改修している話 #### A plan to support source code indexing on debuginfod.d.n - 環境変数で URL を指定できるようになっている #### Debian and new EU cybersecurity-related regulation - 弁護士でないため鵜呑みにしないでほしい、という前段の注意あり - EU legislation 101 - 36ヶ月後に発効のため、2026/2027年くらいから運用が開始される - 対象 - ソフトウェア - ハードウェア - 非対象 - 非商用 - サービス (クラウドなど) - 非公式だが OSS 製品向けはどういう扱いになるかのフローチャートがある模様 ### 8/2 トーク #### Linux live patching in Debian - 仕組みと PoC の紹介 - PoC https://salsa.debian.org/debian/linux-livepatching - 関数の先頭を NOOP にしておいて、パッチを当てる時は修正コードへのジャンプに差し替える - 構造体が変わるような変更には対応できない - 今のところ amd64 のみ (kernel側) - secure boot 署名付きでは配布できなさそう? - なかなか実際に使うとすると厳しい感じ #### What's new in eBPF and how you could use it today - debian の話ではなかった - eBPF を普通に解説するトーク #### Learnings from creating an input method for GNU/Linux from a product perspective - 発表者は 11 歳からプログラミングを始めた人 - マラヤーラム語の IME 対応の話 - debconf21 で発表していた人の続きの話 #### Quickly Test Your Kernel with GitLab CI - kernel を GitLab CI でテストする話 ### 8/3 トーク DebConf最終日 #### Visa Team BoF - https://debconf24.debconf.org/talks/142-visa-team-bof/ - 依頼数は 63 人 - 49 人の依頼を受諾して処理を行った - 12 人は申請できるまでの手続きを進めることができなかった - 37人分を政府へVisaの申請を行った - 33 人は応諾 - 4 人は拒否 - 33 人分の送付したVisaの結果 - 31 人が韓国に来た - 2 人は韓国に来なかった (または来れなかった) - Visaは受け入れる国と訪問する人の国籍によっては結構難しい問題 - Visaを必要として依頼してくる人の調査 - 実在していない人の可能性も含めて確認している - DD や DM とキーサインしているか - 発表資料のドラフト版を要求する場合もあり - 補助申請もしている場合は参加計画も出すように依頼することもある - Visa の送付は電子メールではなく、郵便で紙を送るということもある (EMS or DHLを使って送る) - 申告があった住所に実際には住んでいないという状況も考えられるため - Visa 対応はかなり大変 #### Is there a role for Debian in the post-open source era? - 八田さんが発表すると思ったら司会で、発表は Bruce Perens が実施 - オープンソースにタダ乗りする人がいる問題 - ポストオープンというライセンスを考えてみた #### DebConf 25 BoF - 来年のフランス開催の説明 - July 7-21, 2025 #### DebConf 26: In Your City? - イギリス - タイ - Khon Kaen University (KKU) - ftp.th.debian.org をホストしている大学 - 日本 - ブラジル - アルゼンチン - 宿はホテルという案 - 質問コーナー - ヴィーガン対応はできそうですか? とプレゼンテーションした各国の人に聞いていた ### 8/4 休養日 - この日にもう帰路についた人もいた ### 8/5 Departure day - 日本人の人が COVID-19 に罹ってしまったため、フロントデスクにいろいろ連絡していた - 滞在している学生寮にもう少し滞在できるかできないかの質問、食事を届けてほしいという要望 - 食事については、残っていた日本人の人が食堂のお食事を届けた - フロントデスクに行ってみると朝9時はほとんど人が居らず対応はかなり手薄だった