pbuilder でパッケージをビルドしてみる

大浦真

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現在稼働中のシステムの中に新しい chroot 環境を作りその中でパッケージをビルドするためのシステム。
- chroot: ルートディレクトリを変更してコマンドを実行するためのコマンド。現在稼働しているものとは別のディレクトリツリーを用意し、そこで、さまざまなテストを行うことができる。実機や仮想マシンは必要ない。
Debian パッケージはビルド環境の状態によって、ビルドできなくなることもある。
pbuilder を使って、パッケージがまっさらな環境できちんとビルドできるか確認できる。
pbuilder は base システムだけの chroot 環境を用意してくれるので、パッケージの Build-Depends: フィールドが正しいかチェックできる。

pbuilder のインストール。
設定ファイルのチェック (/etc/pbuilderrc)。
pbuilder コマンドの実行には root 権限が必要になる。
pbuilder create で最新の base システムだけの chroot 環境を作成する。その chroot 環境を tar+gzip でまとめたものが/var/cache/pbuilder/base.tgz に作成される。
pbuilder update で chroot 環境を更新する。
pbuilder build package.dsc として.dsc ファイルを指定し、 chroot 環境内でビルドを行う。
- ビルド環境の設定などに依存せずにビルドできるか確認できる。
- Build-Depends: に指定されているパッケージは自動的にインストールされるので、足りないパッケージがないか確認できる。
ビルドされたパッケージは /var/cache/pbuilder/result に置かれる。
ビルドの途中でダウンロードされたパッケージは、 /var/cache/pbuilder/aptcache に置かれる。このディレクトリのファイルは pbuilder clean で削除される。
pbuilder login で、 chroot 環境の中の shell に入ることができる。

pbuilder は base.tgz の展開に時間がかかるという欠点がある。
cowdancer はファイルシステムの Copy-on-Write を提供する。
- ディレクトリ構造をハードリンクでコピーしておき、実際に書き込みがあった時にハードリンクの関係を解消してくれる。
cowbuilder は base.tgz を展開する代わりに、展開済のベースシステムをハードリンクでコピーして利用してくれる。

pdebuild: pbuilder パッケージに含まれている。 debuild のように Debian パッケージのソースツリーの中で使う。 cowbuilder を使う時は、 pdebuild --pbuilder cowbuilderとする。
pbuilder-uml (User Mode Linux) を使うと pbuilder の実行に root 権限は不要になる (らしい)。

第 14 回関西 Debian 勉強会 2008 年 6 月
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